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『山茶花』

  サザンカ サザンカ 咲いた道
        焚き火だ 焚き火だ 落ち葉焚き

 童謡「焚き火」で歌われているように、紅葉が終わった頃から冬に向かう秋枯れの風景に色を添えるのが、紅や白の山茶花です。
朝晩の冷たい空気に誘われるようにして咲き出す山茶花は、「山の茶の花」という地味な名前のわりには華やかで、寂しげな秋の庭や山々でひときわ目立つ存在です。
満月の冴え渡る夜にはことさらでしょう。
 もともとは椿の漢名(中国名)を「山茶花(さんさか)」と呼んでいたようですが、それが誤って定着したあと、時を経て「さざんか」になったそうです。
 たしかに、山茶花と椿の見た目はよく似ています。
しかし、花の散り方は大きく異なります。
 花ごと「ぽろっ」と潔く、まるで落下するかのように散る椿に比べ、山茶花は花びらが一枚ずつ「ハラハラ」と風に舞うように散っていきます。
その様子の違いは、恋や人生の終わりに例えられたりしていますね。
 また、山茶花のあでやかな姿は歌人の詩心を刺激するようで、和歌でも数多く詠われています。いくつかご紹介しましょう。

山茶花を 雀のこぼす 日和かな (正岡子規)
山茶花の 莟(つぼみ)こぼるる 寒さかな (芥川龍之介)
我病めり 山茶花活けよ 枕元  (夏目漱石)

 

 

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