『合歓の木(ねむのき)』
夏の夕方に花開き、山里に彩りを添えるねむの木。刷毛の先を紅く染めたような花は、なんとも不思議な形をしています。よく見ると花弁は小さく、長く突き出た雄しべが花びらのように見えるのが分かります。
和名「ねむの木」は、夜になるとゆっくり葉を閉じる様子がまるで眠っているようなので「眠りの木」と呼ばれたことに由来するそうです。「ねんねの木」「日暮らしの木」と呼ぶ地方もあるそうです。また、漢名は「合歓(ごうかん)」と言います。夜に葉を閉じる姿は夫婦が寄り添って眠る合歓(ごうかん)を思わせ、その幸福そうな様子から来た名前なのだとか。 見た目だけでなく実際も「眠り」に関係があります。漢方では樹皮を「合歓皮(ごうかんぴ)」、花を「合歓花(ごうかんか)」と言い、不眠や不安を和らげるのに用いるのだそうです。 ところで、触れるとシュッと葉を閉じるのは「オジギソウ」。ねむの木の葉は触っても閉じません。目を閉じるように自分で葉をたたんで垂れ下がります。また、ねむの木は「マメ科」に属します。 花のあとにできる種(実)を見れば理由がわかりますよ。 雨の日や まだきにくれて 合歓の花 与謝蕪村 |
夏の夕方に花開き、山里に彩りを添えるねむの木。刷毛の先を紅く染めたような花は、なんとも不思議な形をしています。よく見ると花弁は小さく、長く突き出た雄しべが花びらのように見えるのが分かります。