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『白粉花(おしろいばな)』

 夏の夕方から咲いて、朝には花を閉じる白粉花。その咲き方は、いくつかのロマンティックな別名を生みました。
 まずは「夕化粧」。夏の夕暮れ時。あたりが薄暗くなると花が開き、その様子が華やいで見えることから付いたそうです。
 イギリスでは、夕方に咲くので「フォーオクロック(午後四時の花)」。フランスでは「夜の美人」と呼ばれているようです。
  さらに、「ペルーの不思議」というユニークな別名もあります。同じ枝から違う色の花が咲き、しかも毎日花の色が変わることに由来しており、なぜ「ペルー」なのかと言えば「ペルー原産説」が有力です。

 元名の「白粉花」は、黒いタネの中身が白粉を思わせることから付いた名で、名付け親は『養生訓』で有名な江戸時代の博物学者・貝原益軒だそうです。
 幼い頃、道端には、少女たちの大人への憧れがありました。ホウセンカの花びらの汁で爪先を紅く染め、白粉花のタネを割って白い粉を集めて回る。 つつじや白粉花の花の根元をそっと吸って甘い蜜を舌に感じるとき、一瞬で消え行くほのかな甘さに、子どもの時間のはかなさを無意識に重ねていたのかもしれません。今の子どもたちは道端で、何を思うのでしょうね。
  道端の 淡い思い出 夕化粧

 

 

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